
住宅ローンの支払いが厳しくてヤバい!自己破産した方がいいのかな・・・?
住宅ローンの返済中には、なにかしらの事情で支払いが厳しくなるというリスクがあります。実際、最近ではコロナによる倒産やリストラで、住宅ローンの返済について銀行の窓口に相談に来る人が増えたという報道もあります。
現在進行形で住宅ローンを返済中の人だけではなく、これから住宅ローンを組む人にとっても考えていかなければならない重要な問題です。
- 住宅ローン返済に困った時の対処法はあるのか
- もし、自己破産したらどうなるのか?
本記事は、こういった悩みや不安を持つ方にとっては、特に役立つ内容となってます。
少々内容にボリュームがありますが、本記事を読むことによって、「住宅ローンにおける自己破産の抑えておきたいポイント」がすべてわかります。
是非最後までご覧ください。
自己破産とは

自己破産・・・借金の返済義務を免責する制度
上記のとおり、すべての借金をゼロにする手続きのことです。
自己破産の手続きは、
『地方裁判所に破手続きの申請書を提出→破産開始決定→免責許可決定』
というような流れになります。
資産状況や、今後得られる収入などから完済が不可能と判断されると、自己破産手続きが認められます。
基本的には住宅ローンだけでなく、租税債務(税金)を除くすべての借金を帳消しにできます。ただし、養育費や住民税、年金などの一部には効力が及ばないこともあります。
自己破産の条件
返済能力がなく、債務超過している場合に利用できます。また、20万円を超える価値があるものを所有したままでは自己破産ができないので、それらのものは破産管財人によって売却され、債権者への返済に充てられます。
自己破産を申請したらどうなる?
自己破産申請後に裁判所から免責の許可が下りれば、借金の支払い義務が免除されます。
手続きを行うことで、債権者は所定の手続きをしなければ債権回収ができなくなり、督促状を送付するなどといった強制執行ができなくなります。税金を滞納していた場合は、すでに滞納処分が決定しているケースを除き、国税局による徴収もできなくなります。
「自己破産手続きをしたら無一文になってしまう」というイメージがありますが、すべての財産を失うわけではありません。最低限ですが、手元にいくらか残すことは可能です。大半の財産は処分されるのは間違いありませんが、処分の対象となるのは、
- 99万円を超える現金
- 時価20万円以上の財産
- 不動産などの高額な財産のみが
といったものになります。
また、復権が得られる(失った権利が戻ること)までは、一定の職業の仕事をするのに制限がかかるので注意が必要です。
(弁護士・税理士・司法書士・宅建士・旅行業務取扱管理者など)
自己破産をする前に

住宅ローンの返済がきつくなったからといってすぐに自己破産するのは正しい選択ではありません。返済がきつくても、自己破産以外に有効な対策はいくつかあります。返済がきつい時にやるべき対策を解説していきます。
金融機関に相談する
住宅ローンの支払いが厳しくなった時、「自己破産しなきゃ」ではなく、まずは金融機関に相談しましょう。
転職などにより収入が減ってしまう場合、返済額や返済期間の見直し、住宅ローンの借り換えが可能かどうかの確認をするのも一つの方法です。
他にも、不要な生命保険の解約や車の売却、固定費節約など、資金を工面できる方法を検討してみましょう。
住宅ローン借り換え
住宅ローンの借り換えも検討するべき手段です。
多くの人が、住宅ローンはもともと付き合いのある金融機関だったり、不動産営業マンのおすすめの商品を組むことが多いです。
それはつまり、本当はあなたにとってもっと良い金利や返済プランの商品があったとしても、見落としている可能性があるということです。
いま組んでいる住宅ローンから借り換えをすれば、金利条件が優遇されるだけではなく、返済期間を延長してもらえる可能性もゼロではありません。
まずは、一度相談してみてから次の段階に進みましょう。
任意売却
それも厳しかったら、「任意売却」という方法があります。任意売却とは、住宅ローンの支払いが難しくなった場合にできます。
不動産売却のメリットをきちんと理解していない弁護士に自己破産を勧められ、「結果的に余分な費用がかかってしまった!」というケースもあります。
任意売却をするためには住宅ローンを提供している金融機関の承諾が必要となりますが、不動産価値が高い場合は効果的な方法といえるでしょう。
住宅ローンを払えなかったときには、下記のステップで解決に向けて動いていきましょう。
『金融機関に相談→借り換えを相談→任意売却の相談→自己破産手続きの相談』
上記のステップで対応していくことが重要で、「返済が厳しい→自己破産」と、すぐに自己破産の手続きに向けて動くことだけは避けましょう。
自己破産で残りのローンと持ち家はどうなる?

自己破産の申し立てにより免責が認められれば、住宅ローンの返済義務もなくなります。
しかし、破産した場合は、住宅ローンが残っているかどうかにかかわらず、持ち家を残すことはできないので注意しましょう。
住宅ローンの返済が残っている場合や、完済している場合でも、債権者である金融機関によって、持ち家は財産とみなされて回収されます。自己破産いう道を選んだ時点で、持ち家を手放すことになります。
自己破産手続きについて
自己破産の申しててをする場合は、下記のような流れになります。
必要書類を管轄の地方裁判所に提出→審尋が行われる→免責許可決定が下りれば債務は免除
審尋は裁判所で裁判官と面接をし、破産手続きの理由などを質問されることです。審尋で特に問題がなければ破産手続が開始され、「免責審尋」が開かれます。裁判所で裁判官と面接し、そこでも問題がなければ免責手続きが開始されますが、もし認められなければ借金の返済義務は継続することになります。
免責審尋から約1週間で裁判所から「免責許可決定」がおり、そこではじめて借金の返済義務が免除されることになります。住宅ローンの残債については、免責許可決定がおりてはじめて返済義務が免除されます。自己破産手続きが開始されることで、抵当権によって住宅が押さえられると、住宅は競売にかけららます。
売り手が決まるまでは時間がかかるため、その間は住宅に住むことができ、転居の準備機関に充てられます。
自己破産と個人再生の違い

- 自己破産・・・裁判所に申し立てをすることで借金をゼロにする債務整理の方法
- 個人再生・・・裁判所に申し立てを行うことで借金の総返済額を減らせる債務整理の方法
上記の通り、2つの違いは借金をゼロにできるか減らせるかという点です。「借金がゼロになるから自己破産がいい」というわけでもなく、個人再生にもメリット・デメリットがあります。
個人再生の概要と住宅ローンへの影響
メリット
個人再生の場合は財産がなくならないので、住宅ローンを返済中の場合は「住宅資金特別条項」を利用することで、持ち家を失わずに借金を減らせます。個人再生手続き後は、減額された借金を引き続き返済する義務があるため、返済を続けていけるだけの収入は必須といえます。
デメリット
自己破産と大きく違う点としては、完全に借金がゼロになるわけではないという点です。例えば、4000万円の借金を300万円まで減額というように、借金の負担を軽減できる一方で、100万円以下に借金が減ることはないため、仮に借金が100万円以下の場合は個人再生をするメリットがありません。
また、自己破産は、借金の総額に限度額がありません。しかし、個人再生の場合は5000万円が限度額となっています。そのため、多額の借金がある場合は自己破産を利用するのが良いでしょう。
自己破産後に住宅ローンは組める?

自己破産をした場合は、信用情報機関によって履歴として登録されます。住宅ローンの審査では、金融機関が信用情報についての確認を行うため、自己破産をした過去がある場合は住宅ローンを組むのが難しくなります。しかし、ブラックリストに載ってしまった場合でも、住宅ローンを組めるケースもあるようです。
破産後、5~10年程度は審査が通らない
自己破産した場合は最低でも5~10年間、住宅ローンを借りるのは難しいです。
金融事故としてブラックリストに名前が掲載されてしまうと、自己破産の手続きが完了してもすぐに削除されることがありません。
しかし、新規の借入が制限されるのは自己破産した本人だけです。そのため、家族や配偶者が住宅ローンを組む分には問題ありません。住宅ローンを自己破産後に借りようとしている場合は、家族や配偶者が保証人となり、返済義務を負うことを認識した上で慎重に検討しましょう。
自己破産後にローン審査を通す方法
住宅ローンの審査に受かるための方法として、信用情報機関へ問い合わせをして、過去の金融事故の記録がのこっているか確認をするという方法があります。もし金融事故の記録が残っていなければ、住宅ローンの審査に影響を及ぼすことは少ないでしょう。
- 過去に債務整理をした
- クレジットカードの支払いを延滞したことがある
などの場合は最低でも5年、自己破産の場合には10年、信用情報に記録が残るといわれています。気になる方は信用情報機関に問い合わせをして記録の有無を確認しましょう。また、返済能力があることの証明として、使用しているクレジットカードの返済日を守り、「クレジットヒストリー」を貯めるなどの対策を取るのも有効でしょう。
まとめ
繰り返しになりますが、返済がきついからといって、すぐに自己破産を考えていくのではなく、順を追って対応していくことが必要です。特に日頃から無駄遣いをなくしていきましょう。
家計全体、特に固定費の見直しは必須です。できることから改善していくことで、最悪の自体を避けることができますよ。
コメント