不動産事務職に転職するにあたって志望動機の作り込みは非常に重要です。特に未経験者にとっては志望動機について掘り下げて聞かれることが少なくありません。
また志望動機は履歴書だけではなく、面接でも必ずといってもいいほど聞かれることですので、いい加減な準備をしていたら採用される確率はグンと下がってしまいます。
今回は下記のようなこういった悩みを持つ方に向けての内容となってます。
- 不動産事務に就きたいと思っているけど、志望動機をどう書いたらいいかわからない。
- 志望動機を書くコツがあったら知りたい。
- 未経験の場合の不動産事務の志望動機を知りたい
私自身、6年前後の不動産業界の経験があり、複数回の転職で志望動機を作りこんできた経験があります。
また、人事にも携わっていた経験があるので、どういった人材を採用するかのポイントも把握しています。
不動産事務も、他の仕事と同様、志望動機は採用の合否を左右する重要な判断材料です。
そしてより入念に作りこんでいくことで、確実に他の応募者より優位に立てることも確かです。
本記事では、志望動機のポイントを紹介するだけではなく、テンプレもいくつか用意しました。
うまくポイントを抑え、あなたの志望動機として活用できれば、採用される確率は一気に高くなるのでぜひご参考ください。
不動産業界は他の業界とは違った独自のルールや待遇があります。そのため転職活動をするときはより不動産事情に詳しいところから情報収集をしていくことが重要です。不動産業界に強い転職エージェントは下記で紹介してますのでぜひご参考くださいませ。

不動産事務職の志望動機を書くための基礎知識

不動産事務職の志望動機をいきなり作り込もうとしてもうまくいくのは簡単ではありません。それは志望動機を書く上では最低限の知識が必要だからです。
基礎知識があれば志望動機が書きやすくなるだけではなく、面接のときに質問されても答えられたり、自己PRなどを作りこんでいくときにも役立ちます。
不動産事務職の志望動機を書くためにはどういった基礎知識が必要か具体的に解説していきます。
不動産業界の仕事について
不動産業界の仕事はさまざまです。賃貸管理や売買仲介など細かい業種は多いですが、おおまかには下記の種類があります。
- 開発
- 流通
- 管理
開発
開発はマンションやオフィスなどを建てることです。土地の仕入れから設計まで工程を幅広く扱うため比較的大手の会社が多いです。代表的には三井不動産・野村不動産などがあります。
流通
流通はおもに仲介業のことです。売買仲介、賃貸仲介があり、物件の売り買いや賃貸借の取引を間に入る仕事です。仲介の場合は仲介手数料が主な収益源になります。
管理
管理はビルなどの商業施設からマンションやアパートなど居住用不動産などを管理します。家賃回収やトラブル対応など管理について幅広く対応していく必要があります。
関連記事:不動産賃貸管理の仕事内容とは?
不動産事務職の仕事内容
不動産事務職といってもその業務内容はさまざまです。
会社の業態によっても変わってきます。
不動産業界は賃貸・売買・土地開発・建築など業種が多岐にわたります。
業種によって事務職でも求められるスキルが微妙に違ったりするので、業種に見合った対策が必要です。
不動産事務職の経験や年齢について
不動産事務は年齢や経験は多少関係ありますが、それが必ず大きなウエイトを占めているわけではありません。例えば宅建士の転職が実務未経験でも”超”有利な理由でも解説していますが、宅建があれば40代や実務未経験でも就職できる会社もあります。自分にとっての武器が何かわかった上で志望動機を作りこんでいけば経験や年齢は大きなハンデにはなりません。
不動産事務職の将来性について
不動産テックと呼ばれているように不動産業界でもIT化が進んでいます。将来的に仕事がなくなるかもしれないという意見もありますが、そこまで不安になる必要はありません。特に宅建を持っている場合は宅建にしかできない業務があります。また、宅建は副業もできるのでむしろ活躍できる場面は多いです。
不動産事務職に求められるスキルや人物像

不動産事務職に求められるスキルや人物像を把握しておくことによって志望動機の内容に盛り込むことができます。
不動産事務職もコミュニケーションが重要
事務職というと、裏方のイメージが強く地味なイメージを持つ人もいるでしょう。
ただ、不動産事務職の場合はコミュニケーションスキルがある程度は必要になってきます。
もちろん営業のように商品を売り込むセールストークや常に対面で人と接する機会は少ないです。
とはいえ、お茶出しから電話対応、ときには営業の代わりにお客様に接客する場面も出てきます。
他人と関わるのが好きというまではいかなくても、「絶対人とはかかわりたくないから事務職にする!」という人には正直厳しい業務内容です。
不動産が好きな人
不動産事務職の人は不動産が好きな人が多いです。
ポータルサイトを見たり、建築カタログや本を買ったりと、プライベートでも自分から不動産と接する人もいます。
逆に不動産がそこまで好きではない人は続けていくのは厳しいかもしれません。
また、法律が好きな人も事務職には向いています。
宅建を持っている人なら、かなり重宝されるので、未経験でも就職に困ることはほぼありません。
細かい作業が得意な人
不動産事務職は契約書類の作成だけではなく、店舗のPOPやチラシなどの広告物まで幅広く資料を作成する能力を求められます。
特に広告の場合は誤字脱字や文章表現だけではなく、景品表示法など法律に触れないように気をつけながら作成していかなければなりません。
そのため、大雑把ではなく細かく正確に作業することが得意な人が事務職に向いています。
不動産事務職に向いている人の特徴については下記記事でも詳しく解説しています。
関連記事:不動産事務に向いてる人の特徴まとめ!仕事を探すコツについても解説
不動産事務職の志望動機を書くポイント

まず、志望動機を書いていく上でのポイントをいくつか解説していきます。
ポイントを抑えることで、応募先の企業に何を伝えればいいのか明確化できます。
エピソードや数字を入れる
具体性を持たせることによって説得力が増します。
エピソードは人によって違うので、他の志望者と被ることがありませんし、オリジナリティがあります。
また、もしあなたが現職で実績を残していて、それが志望動機として使えるようなら、数字をアピールしていきましょう。
応募先の求人情報を見ながら、自分の過去の経験や実績で使えそうなものを紙に書き出してみるのもおすすめです。
自分の性格の長所を混ぜる
不動産事務職は営業などと求められる能力違がいます。
事務ではどういった性格が合っているのか考えていくことが必要です。
求められる能力を自分の長所に当てはめてみましょう。
ポイントは、長所でも業種・職種に当てはまらなければアピールにはなりませんし、逆に一見短所に見えることでも、捉え方を変えれば長所になることもあります。
たとえば、優柔不断は一見短所に思えますが、表現を変えれば「慎重」です。
不動産事務では、正確さが求められる場面が多いので、慎重という正確はアピールポイントの一つになります。
このように、まずは短所・長所問わずリストアップし、そこから削ったり表現を変えて作りこんでいきましょう。
抽象的な志望動機は避ける
質問に対して答えたり、志望動機を伝えるうえで抽象化は避けましょう。
たとえば、「御社の○○という理念に共感したからです」「○○という商品に魅力を感じたからです」など。
質問に対しての答えにはなってるかもしれませんが、上記のような回答だけだと具体性がないため説得力に欠けます。
上記の場合ですと、「理念のどういうところに共感したのか」「商品のどういうところに魅力を感じたのか」というのを考えていくことが重要です。
前述したエピソードや数字を持ち出したり、他社や他の業界と比較すればさらに説得力はあがります。
なぜ不動産事務なのか
ポイントで解説したように、具体性が重要です。
現職の仕事内容、いままでのスキルや実績、経験、自分の性格からなぜ不動産事務にしたのか考えましょう。
他の不動産業界ではだめなのか、いままでの経験がどのように役に立つのかといったことをベースに回答していけば説得力が増します。
なぜその企業を選んだのか
企業側からしたら、なぜ何社も不動産業界がある中、自社を選んだのかは大変気になる部分です。
企業を選んだ理由を明確にしましょう。
その企業のどこに惹かれたのか、なぜ他の企業ではだめなのかを基準に考えていくとまとまりやすいです。
業績、社風、待遇、将来性など企業の魅力は人によって違うので、ホームページや求人をしっかり見ていきましょう。
どういったキャリアを築いていきたいのか
応募者が未経験の場合、企業側は採用したとしてもまた別の業界に転職しないかは気になるところです。
あなたが不動産業界への転職をする場合、なるべく長期的にどうキャリアを築いていきたいか考えていくことが重要です。
長く働くことをアピールするためにも、応募先の企業でどういった仕事をしていきたいか具体的に説明することも必要です。
資格がない場合は、どういった資格をとっていきたいか伝えることもアピールになります。
不動産事務職の志望動機の例文(良い事例)

不動産事務職の志望動機の例文を具体的に紹介していきます。経験者と未経験者別に分けていますが、それぞれ自分に合う部分があれば積極的に取り入れていきましょう。
不動産事務職経験者の志望動機の例文
私はこれまでに賃貸仲介会社で事務職をしてきました。具体的には契約書類や物件資料・広告物の作成をしてきました。またワード・エクセルを使った資料作成なども対応でき、パワーポイントを使用したプレゼン資料作成も得意としています。御社は売買専門で契約数が多いと聞いております。私がいままで培ってた書類作成のスキルは御社の営業のサポートにも貢献できると自負しております。今回は御社が今までの私の事務職の経験がより活かせることができる会社だと思いご応募させて頂きました。
不動産事務職経験者の場合はいままでの不動産事務職の経験のどの部分が活かせるのかまとめることが重要です。特に志望する会社の業務のどこの部分において活かせるのか具体的に掘り下げるほど説得力を上げることができます。
不動産事務職未経験者の志望動機の例文
私はかねてより、人の生活の中心にある住まいについて関心がありました。そのため、今回は家づくりについて○○という理念をもつ御社に共感しご応募させて頂きました。売上重視の企業が多い中、お客様に寄り添う御社の理念は大変素晴らしいと思います。私は営業などは苦手ですが、事務作業など書類の扱い、細かい雑務などは得意です。前職でも事務仕事でいかに効率よく業務を進めていけるか会社に提案したこともありましたし、システムの導入を提案したときは業務効率が上がったとお褒めの言葉を頂いたこともあります。不動産事務職は未経験ですが現在は宅建の勉強をしていて、不動産事務のプロとしてキャリアを築いていく準備をしているところです。営業のように直接売上に貢献するような活躍はできないかもしれませんが、サポート面では貢献できるように努めていきます。
不動産事務は「正確」「スピード」「気配り」など幅広い能力が求められる仕事です。不動産事務は「正確」「スピード」「気配り」など幅広い能力が求められる仕事です。営業のような派手さはありませんが、事務のできで、成績が左右される営業マンもいるので重要な職種なのです。自分の性格で事務職に適性だと思うところを書き出しましょう。また、不動産事務職で宅建資格は重宝されますので、いまは持ってなくても取得に向けて動いていることはアピールしましょう。
関連記事:宅建の勉強時間はどのくらいで合格できる?
不動産事務職の志望動機の例文(悪い事例)

不動産事務職の志望動機の悪い例としては自分のことしか考えておらず、志望先の会社に対してのメリットを伝えないことです。
待遇に関しての意見が多い
志望する理由が給料や労働時間についてだと相手からの印象が悪いです。特に「前職の待遇が悪いから待遇が良さそうな御社が良いと思った」などはNGです。待遇に対して履歴書や面接で主張したところで先方にはなんのメリットもありません。極端な話ですが応募者側からあえて触れる必要はないでしょう。
学びたいアピールが強い
学びたいアピールは意欲を見せるために必要という意見がありますが、会社によっては印象が悪いです。採用者側の中には「会社は学校ではない」という考えを持っている人もいるので、学びたいと主張する際は注意が必要です。もちろん、学ぶことがその会社にどういったメリットがあり利益があるのか説明することができれば一概に悪いものではありません。もしスキルについて志望動機を作り込んでいく場合は転職エージェントと相談しながら取り組んでいきましょう。
まとめ
人によって経験や性格は違いますが、今回紹介してきたポイントを抑えていけばある程度は問題ありません。
ある程度というのも、どれだけ作りこんだとしても、自分だけで作った以上は主観の域を出ないからです。
客観的な分析も必要なので、転職エージェントなどの第三者の意見も必要です。
もし、あなたが既に応募したい企業が決まってるとしても、履歴書・職務経歴書を添削してもらうために利用するのも手段の一つです。
もしかしたら、いま応募したいと思っている企業よりも条件がいいところを紹介してもらえるかもしれません。
利用自体は無料ですし、書類の添削もしてもらえるので、ノーリスクです。
転職を成功させる確率を少しでも上げたい方は是非活用していきましょう。
