宅建建物取引士(以下、宅建士)の資格を持っていながらも現在別の仕事をしていたり、働いていない場合、実務未経験で転職ができるのか不安に思われている方もいるのではないでしょうか。
- 宅建資格はあるけど実務未経験がないから転職ができるか不安
- 宅建があれば未経験でも有利な業界が知りたい
- 宅建を活かして年収アップできるキャリアプランがあれば知りたい
今回は、こういった悩みを持った方に向けての記事となってます。
僕自身、アパレル販売員という仕事をしながら宅建資格を取り、不動産業界に入ったという経験があります。 そのときの転職活動の経験や、約4年間業界にいたときに学んだ知識を出し惜しみなく発信していきます。
本記事では、「実務未経験でも転職ができるのか」だけではなく、「転職活動を進めていくのにどう動いていけばいいか」や「年収アップの方法」についても解説していきます。
- 未経験に有利な業界を把握できる
- 宅建士のキャリアプランがわかる
- 年収アップするコツがわかる
- 転職成功の確率を大幅に上げることができる
少なくとも上記のようなメリットがあります。
若干記事にボリュームがありますが、未経験の宅建士の方にとって必ず役立つ内容となってますので、是非最後までご覧ください。
宅建があれば未経験でも転職ができる

希少価値が高い
宅建資格があれば未経験でも転職は十分に可能です。
宅建は国家資格かつ独占業務の資格なので、それだけでも希少価値が高いです。
独占業務は独立開業するのに必要というイメージもありますが、宅建の場合は1つの事務所で5人につき1人以上の設置義務があります。
宅建士が足りないと営業できなくなる可能性もあるので、少しでも多く宅建士を確保したい企業が多いのが現状なのです。
年齢が高くても転職しやすい
他の業界に比べて、未経験でも宅建を持ってるだけというだけで転職しやすくなります。
前述したとおり、宅建士を一人でも多く確保しておきたい会社が多いので、35歳を過ぎていても宅建を持ってるだけで一気に転職しやすくなります。
もちろん、業種によりますが、チャンスは多いですよ。
未経験の宅建士が転職したときの待遇

休日について
不動産業界の場合は、基本的には水曜休みの会社が多く、土日の両方を休める会社は少ないです。
とはいえ、業種によっては土日の両方を休めるものもあります。
たとえば賃貸管理・ビル管理・社宅代行・事務系などは仲介ほど「お客様商売」ではないため、土日の両方を休める会社が増えてきました。
仲介の仕事も、シフト制で土日のどちらかを休めるところは結構あるので、転職の際はエージェントに相談してみましょう。
祝日や有休など休日事情については別記事でも解説しています。
給与について
宅建資格があれば「重要事項説明」などができ、業務の幅が拡がるので、持ってない人に比べると必然的に年収があがります。
また、大半の会社では「宅建手当」といわれる資格手当が支給されます。

上記dodaの求人のように、企業によりますがはおおよそ2~4万円前後の範囲です。
資格手当だけでも年間数十万円になるので、宅建を取るのにかかった費用くらいはすぐに取り戻すことができます。
未経験の宅建士が転職しやすい業界

不動産が王道
宅建資格を持ってることによって入れる会社や仕事に活かせる職種はいろいろありますが、やはり一番転職しやすい業界は不動産業界に間違いありません。
それは、宅建資格にしかない下記の2つの特性が大きな理由です。
- 独占業務がある
- 宅建士は事務所要件がある
独占業務
- 契約締結前の重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 契約内容書面への記名・押印
事務所要件
宅建業者は1つの事務所につき、5人に1人は必ず事務所に常勤する専任の宅建資格保持者がいなければなりません。
ただ、実際は5人に1に以上の割合で宅建士が置かれている場合が多いです。というのも、1人しかいなくてその人が急に辞めてしまい人員が補充できなければ、その時点で不動産事務所は営業できなくなるからです。
以上のような理由からわかるように、不動産業界では常に一定の宅建士の需要があります。
また、他の業界よりも
- 他の資格でステップアップがしやすい
- 手当がつく会社が多い
- 独立や起業に役立つ
というメリットがあるので、宅建を取ったら不動産業界に入る方が多いです。
金融
一般の方は、宅建が不動産だけで使う資格と思ってることもありますが、それ以外に金融業で活躍してる方もいます。
特に住宅ローン関係に力を入れてる金融機関では、宅建資格の取得を奨励しているところもあるくらい不動産の知識を重要視しています。
さらに、「ファイナンシャルプランナーの資格を取ってスキルアップしたい」という方も金融機関に入る人が多いです。
女性で未経験の宅建士は転職に有利になるのか

「もう一度社会人に戻りたい」「家事の間に働きたい」など、ビジネスで活躍したいと思う女性は多いです。
宅建を取れば、IT重説のリモート勤務や、契約業務の事務作業といったように柔軟に仕事を選択していくことができます。
くわしくは別記事で解説してますのでご覧ください。
⇒女性が宅建を取れば転職しやすくなる【宅建士がリアルをお伝えします】
未経験の宅建士が年収を上げていく方法

未経験で転職した場合に多いのが、
中小企業で経験を積む→大企業に転職
というコースです。
年収を上げていくには、当然待遇の良い企業を選んでいくことが必要です。いまの自分の市場価値の限界で入れる企業に転職していけば確実に年収は上がっていきます。
ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなど「ダブルライセンス」を取っていけば、さらに年収や市場価値が高くなります。
⇒【2020年最新版】不動産転職で有利な資格まとめ!
また、年収だけを最優先に考えるのであれば、高歩合の営業や、独立することも一つの手段です。
いずれにしても、あなたのワークライフバランスが保てる範囲内で、年収を上げていく方法を考えていくことが重要です。
未経験の宅建士が転職する際の注意点

未経験でも、宅建資格があれば転職しやすいのは間違いありませんが、注意しておきたいこともあります。
それは、宅建士というよりも、従業員自体の数が足りていない会社です。
離職率が高かったり、業務がキツければ、働きたいと思う人も少なくなります。
従業員が足りないブラックな会社に転職してとしても、そこで宅建を活かせる可能性は低いでしょう。
転職活動を進めていく中では、慎重に求人を検討していく必要があります。
未経験の宅建士が転職する際のコツ

未経験でも宅建資格があれば転職しやすいですが、「これを抑えることによってより転職しやすくなる」というコツがあります。
志望動機と自己PRを徹底的に作りこむ
前職の経歴や、いままでの自分の経験、性格の自己PRを徹底的に作りこんでいきましょう。
志望動機
いまあなたがしてる仕事から結びつけても良いですし、希望の業界の魅力を挙げるなどの方法もあります。たとえば、
- 接客業→営業として接客の仕事の幅を拡げていきたい
- 歩合制があるから頑張って成果がでるところに魅力を感じた
- 「手に職を」と思い取った宅建資格を取ったので最大限発揮できる業界を選んだ
人によって積んできた経験が違うので、あなたの経験から希望の業界にリンクづけていけば大丈夫です。
さらに詳しくは別記事でも解説してますので、転職活動の際にはご参考下さい。
⇒【不動産未経験でも転職できる!】志望動機を徹底解説【テンプレあり】
自己PR
もちろん、宅建資格を持ってること自体がPRになります。ただ、それだけだとどうしても直接業務につながる部分が資格以外で弱いというものがあります。
たとえば、自分の性格を実際の業務に関連づけます。
- 忍耐強い→営業で売り上げが厳しくても耐えれる
- 気配りができる→お客様に対して高いサービスを提供できる
- 細かいところに気づく→事務処理で活かせる。
ざっくりですが、こんな感じです。
多少は強引に関連付けてる部分も出てくると思いますが、最初はあまり気にしなくて大丈夫です。
ちなみにですが、志望動機や自己PRを作っていく上では最初の段階ではネットで調べてまったく問題ありません。
「宅建 志望動機」や「自己PR 不動産」などで検索すればたくさん出てきます。
もちろん丸パクりは良くなく、調べた情報を自分に当てはめてみたり、少しずつアレンジしていき完成させるのが重要です。
とはいえ、自分で完成させただけでは客観的に内容がわからないので、ある程度の段階で第三者にみてもらいましょう。
おすすめなのが次に解説していく「転職エージェント」です。
未経験の宅建士に役立つ転職エージェント

効率良く転職を進めるためには転職エージェントの利用が不可欠です。
実際のところ、転職に成功している方々も、転職エージェントを利用してる場合が多いです。
- 非公開求人を扱っている
- 履歴書や面接対策をしてくれる。
- スケジュール調整をしてくれる。
- 業界のことに詳しい。
- 求人の会社に交渉もしてくれるので、入社後のミスマッチが起きにくい。
転職サービスを利用するメリットはこれだけあるので、利用することで転職活動を効率良く進めていくことができます。
とはいっても、なんでもかんでも登録していけばいいというわけでもなく、希望の業界に強いサービスに絞っていかなければ非効率です。
宅建に関しても、宅建資格でできる求人を多く扱ってるサービスも存在します。
そこで、宅建資格保持者が利用するのにおすすめなサービスを3つ紹介させて頂きます。
宅建Jobエージェント

【公式サイト】takken-job.com
宅建Jobエージェントは宅建士保有者専用の転職エージェントでして、宅建士資格保有者は必ず登録しておきたい転職サービスです。
登録は数分でできるくらいの簡単なもので、筆者が登録したときは、後日電話がかかってきて、一通り希望を伝えたあとのやり取りはほとんどラインでした。
履歴書や職務経歴書もラインでデータを送った後に添削してもらえるので、時間を取られず大変使いやすかったです。もちろん、非公開求人も豊富に扱っているので、あなたの希望に沿った提案をしてもらえます。
doda
【公式サイト】doda.jp
- 大手、優良を中心として豊富な求人案件
- 応募書類だけではわからない人柄や考え方などを企業に伝えてくれる
- 求人は毎週更新するため、マッチした案件が見つかりやすい
転職といったらdodaといわれるくらい求人が豊富です。転職
エージェントは履歴書や面接をサポートしてくれますが、あえて案件を紹介してもらうだけという使い方もありです。
求人の絶対数が多いため、経験・未経験問わず登録しておきたい転職サイトです。
Aidem Smart Agent
【公式サイト】smartagent.jp
- 首都圏で25万件の取引実績!
- 求職者の資質や能力に応じ厳選して案件を提案してもらえる
- 1次面接の同行など未経験者にも安心なサポートあり
Aidem Smart Agentは実は40年もの歴史がある老舗転職サイトです。未経験や第二新卒だけではなく、ハイキャリアの求人も扱っています。特に関東エリアに強いので、関東エリアに住んでる方や、関東での仕事を探している方は登録しておきましょう。
補足:実務未経験は就職してからが重要
不動産の場合ですと、電話の取り方、アポの取り方、営業メール、写真撮影など。
契約関係など、宅建試験の知識が役に立つ場面ももちろんありますが、実務はどちらかというと作業が多いです。
とはいえ、接客や異業種の営業や事務など、なにかしら不動産に共通する業務をやってた方は半年もあれば一通りの業務はできるようになります。
転職エージェントに、気になった求人に未経験者用のマニュアルや研修があるか相談してみることをおすすめします。
まとめ:未経験でも宅建があれば転職は余裕です

ここまで読んで頂いてありがとうございました。
宅建資格か法律系の中では比較的とっつきやすいといわれてますが、8割以上が不合格になっている事実があることから、決して誰でも楽に取れる資格ではありません。
それに比べれば、転職活動は対策をきちんとしていけば簡単です。
いかに効率良く転職活動を進めていくことが成功への近道です。
転職エージェントなどをうまく活用して楽に進めていきましょう。
それでは、あなたの健闘をお祈りしています。
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