住宅ローンにおいて、年収は借り入れ時の審査や借入額を決めるのに非常に大きくかかわってきます。
今回は、住宅ローンにおいて、年収がどれだけ重要なのかを解説していきます。
- 年収と住宅ローンの借入額って関係あるのか気になる。
- 年収が多くない場合、ローンを支払っていけるのか不安。
- リスクが少ない返済プランがあれば知りたい。

住宅ローンってあまりよくわからないまま組んじゃう人が結構いるけど、基本を理解しておくことでより良い条件でプランが組めるよ!
年収と住宅ローン借入額の関係

年収は住宅ローンを借りる際にどう影響してくるのでしょうか?住宅ローン借入時の基本的な考え方を解説していきます。
年収とは?・・・手取りではなく額面。税金や社会保険料が引かれる前の「総収入」です。自営業の場合は売上ではなく、売上から経費を差し引いた「所得」です。ちなみに年商か会社の売上のことです。
年収と返済比率
まず、住宅ローンの借入可能額は返済比率(総返済負担率)が基準として設けられています。
返済比率は、借入額について、「年収に占める年間合計返済額の割合」のことでして、下記の計算式で求められます。
{(総借入額÷返済期間)÷年収}×100=返済比率
例えば、「総借入額3000万円、35年ローン、年収400万円」だった場合、
(3000万円÷35年)÷400万円=21%(返済比率)
上記の通り、返済比率は21%となります。これはかなり返済比率を抑えられるケースです。返済比率の目安は20~40%で、低ければ負担が軽く、高ければ重くなります。
返済比率の基準は、大きく分けて「フラット35」と「民間住宅ローン」の2つがあります。
フラット35
年収 | 400万円未満 | 400万円以上 |
基準 | 30%以下 | 35%以下 |
民間住宅ローン
年収 | 100万円以上300万円未満 | 300万円以上450万円未満 | 450万円以上600万円未満 | 600万円以上 |
基準 | 20%以下 | 30%以下 | 35%以下 | 40%以下 |
人によって、住居費にお金をかけられる場合は返済比率が多少高くてもそこまでの影響がありますが、逆に家計全体に余裕がなければ、高い返済比率はおすすめしません。
ちなみに、住宅ローン以外に自動車ローンやカードローン、スマホの分割払いなどの負債があれば、年間返済額に加算され、その分返済比率も高くなります。また、事務手数料や火災保険料などの諸経費もかかるので「借入額に含めるか」「頭金に含めるか」など判断が必要です。
金融機関や年収によって返済比率の基準が変わってくる場合があるので、各金融機関を比較しつつ検討していきましょう。
【年収別】借入シミュレーション
ここで、年収別に返済比率をシュミレーションしてみました。
ここでの条件は下記の通りです。
条件:金利1%、借入期間35年
年収400万円
返済負担率 | 年間返済額 | 借入可能額(上限) |
---|---|---|
20% | 80万円 | 2800万円 |
30% | 120万円 | 4200万円 |
40% | 160万円 | 5600万円 |
年収600万円
返済負担率 | 年間返済額 | 借入可能額(上限) |
---|---|---|
20% | 120万円 | 4200万円 |
30% | 180万円 | 6300万円 |
40% | 240万円 | 8400万円 |
年収800万円
返済負担率 | 年間返済額 | 借入可能額(上限) |
---|---|---|
20% | 160万円 | 5600万円 |
30% | 240万円 | 8400万円 |
40% | 320万円 | 11200万円 |
負担率が10%違うだけで、借入可能額が大きく変わっているのがわかります。自身の年収に近いシュミレーションを参考し、プランを立てていきましょう。
年収を考える際の注意点

年収を考える際には、2つの点に注意しておくことが必要です。この2つを把握しておくことで、住宅ローンを組んだ後に「返済がきつくなる」などのリスクを最小限に抑えることができます。
手取り年収
借入を検討する際、返済比率は「年収」で求められますが、毎月の家計のシミュレーションは「手取り収入」でしていきましょう。年収から社会保険や税金が差し引かれるので、年収をベースに家計を考えていくと、「思った以上に生活がカツカツ」ということになりかねません。返済比率は自分で計算していくことができますが、家計全体のことはファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
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頭金
住宅ローンの借入時に頭金を入れれば、総借入額が減り、返済比率が下がります。ただし、頭金の金額が増えれば手残りは減っていきます。
頭金について、別記事で詳しく解説してるので、「頭金を入れようか考えている」という方はこちらの記事を是非読んでみて下さい。
返済シミュレーションをする
住宅ローンを組む際、最初の段階はざっくりで構いませんが、少しずつ綿密にシミュレーションしていく必要があります。得に年収については、今後順調に上がっていくわけではないということも考えておくべきです。返済比率ギリギリで組んでしまったら、少し生活で臨時的な出費が合った時に返済が苦しくなってしまいます。
住宅ローンを組む前に、まずは今の状況から考えていきましょう。
例えば、今10万円の家賃を払ってるとしたら、いくら貯金ができているでしょうか?「余裕を持って5万円」なら、13万円の住宅ローンも可能ですが、「なんとか3万円なら、13万円の住宅ローンを組むのはきついでしょう。
綿密に計画を立てていくことが重要です。
まとめ
住宅ローンが超低金利ということもあり、「住宅ローンを組むのは今しかない!」という人も見受けられます。ただ、身の丈以上の物件を求め、借入額を限界までにしてしまうと、将来の生活が苦しくなってしまう可能性があります。
プロの意見ももらいつつ、状況に見合った計画を立てていきましょう。
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