『団信=団体信用生命保険』
住宅ローンを返済中に万が一のことが起こった場合、返済が免除される団信。
住宅ローンと団信はセットになっているイメージがありますが、団信なしで住宅ローンを組むことができるのでしょうか?
今回は、住宅ローンを団信なしで考えている人に向けての内容となってます。
- 団信なしの住宅ローンはあるの?
- 団信なしで死亡した場合はどうなるの?
- 団信の審査に落ちてしまったけどどうすればいい?
こういった悩みについても解説していきます。
団信は住宅ローンで把握しておかなければならない重要なことです。
いままで知らなかった人は、今回を機に勉強していきましょう。
本記事を読むことによって、住宅ローンで失敗するリスクを減らすことができます。
団信なしの住宅ローンはある?

結論からいうと、下記のとおりです。
民間の金融機関⇒義務
フラット35⇒任意
民間の金融機関は、団信に加入できない場合、住宅ローンの融資をしない(本審査に落ちる)ことが大半です。
『団信の審査に通らない=健康ではない』
このように判断されるため、金融機関側としては、「健康に問題があり、返済してもらえなくなる可能性がある」と断るしかないのです。
団信なしで住宅ローンを組んだらどうなる?

民間の金融機関では、団信なしで住宅ローンを組むことは難しいですが、フラット35は任意なので、団信なしでも組むこと自体は可能です。
ただ、団信の審査に通らない人が、なんの保険もないままローンを組んでしまうことは、万一の時にもローンを返済し続けなければなりません。
健康状態が良くない人が、なにも備えをしないというのは、リスクにつながります。
もちろん、万一のためにも返済できるくらい余裕があるというのなら話は別ですが、そうでもない限りは、対処しておく方が賢い選択でしょう。
団信に加入できない場合の具体的な対処法を見ていきましょう。
団信に加入できない場合の対処法

団信に加入する際には、「健康告知」があります。
これは、審査をする上で、申込者がどういった健康状態にあるのかを報告することです。
1.最近3カ月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
2.過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
✔告知が必要な傷病
- 狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
- 脳卒中(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
- 精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
- ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎すい臓炎、クローン病
- 肝炎、肝硬変、肝機能障害
- 胃炎、ネフローゼ、腎不全
- 緑内障、網膜の病気、角膜の病気
- ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
- 糖尿病、リウマチ、こうげん病、貧血症、紫斑病
- 子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫
3.手・足の欠損または機能に障害がありますか。または、背骨・視力・聴力・言語・咀嚼機能に障害がありますか。
※上記は一例です。
告知の記入手順は、一般的な生命保険とほぼ同じですが、告知項目が比較的少ないのが特徴です。
告知の内容によっては、健康状態が良くないと判断されてしまい、団信に加入できない場合があります。
ここからは、団信に加入できない場合の対処法について解説していきます。
ワイド団信を検討してみる
ワイド団信は、他の団信に比べて、加入条件が緩い団信です。
健康告知も緩やかで、糖尿病・高血圧症・肝臓機能障害・うつ病などの持病があったり、妊娠中でも加入できることもあります。(それぞれの症状の進行状態などによります)
保険料は、金利に0.2%~0.3%程度上乗せされますが、保障内容は他の団信と同じです。
適用条件は、死亡と高度障害になった場合です。
持病を持ってても加入できることを考えると悪い内容ではないですが、いま加入している保険と保障内容が重複するのには注意です。
保険内容も見直していきましょう。
イオン銀行、みずほ銀行。じぶん銀行、りそな銀行ほか
フラット35を利用する
前述したとおり、民間の金融機関と違い、フラット35は団信加入が義務付けらていません。
一応、「機構団信保険」という商品もあるのですが、あくまでも任意となってます。
つまり、保険に加入しなくても、住宅ローンが組めてしまうのです。
民間金融機関のワイド団信にも加入できない場合は、フラット35の「団信なし」プランで申し込むことで解決できます。
ただし、「団信なし」プランで、保険に加入していない場合、借入本人が亡くなった場合には、ローンの残債を相続人が引き継ぐことになります。
蓄えがそれなりにあるなら、残債が残っても問題ないかもしれませんが、そうでない場合は、万が一のために民間の生命保険会社への加入をおすすめします。
民間の生命保険の中には、『引受基準緩和型保険』といって、健康状態に不安がある方でも入りやすい保険があります。
フラット35で「団信なし」プランを選択した場合、金利が0.2%引き下げになります。
月々に換算すると、民間の生命保険の月額より高くなることもあります。
民間の生命保険に加入した方が、フラット35の「機構団信保険」より安くなるという人もいるので、まずは「機構団信保険」と同じような内容で見積もりを取ってみましょう。
配偶者名義で申し込む
夫婦の場合、どちらも正社員で、夫の健康状態が悪ければ、妻の名義で住宅ローンを申し込むという方法があります。
もちろん、妻の健康状態が良いという前提がありますし、夫と「属性(年齢制限や収入など)」が違うので、審査の結果も変わってきます。
収入によっては、借り入れ可能金額もちがってきますが、健康状態が特に問題なく、正社員であれば、審査には問題ないといってもいいでしょう。
連帯保証人を立てる
住宅ローンの申込者に返済能力があったとしても、団信に通らないほど健康状態が悪かったら、金融機関側としては不安です。
そういった場合は、万一のために連帯保証人を立てるという方法があります。
連帯保証人にも、当然返済能力が必要です。
万一のときは、ローン契約者に代わって返済することになるので、慎重に検討していきましょう。
まとめ

住宅ローンや保険は、非常にわかりにくい仕組みになっています。
人によって健康状態や生活状況が違うことが、さらにわかりにくくしています。
注意しておきたいのが、1社の保険会社や金融機関だけで判断することです。
1社だけですと、他社と商品を比較することができないので、「本当はもっと良い商品があったのに」ということにもなりかねません。
少なくとも、2社以上で検討していきましょう。
住宅ローンの団信や金利の審査は、さまざなな条件を基準にして判断していきます。
審査前になるべくできること、たとえば、健康状態や家計全般の見直しをしていくことが重要です。
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