マイホーム購入の際には住宅ローンを借りることになりますが、借入の条件として、大半の金融機関は『団信(団体信用生命保険)』の加入を義務付けています。
多くの人が、不動産の営業マンからの勧めや、もともと付き合いのある金融機関から住宅ローンを組んでいます。
なかには、団信の内容ひいては、団信の意味すら表面上しかわかっていない状態で住宅ローンを組む人もいます。
団信は、いざという時のリスク対策として加入しておくことも必要な保険の一種ではありあすが、特徴や注意点を把握していないと、あなたにとって最適な住宅ローンを選ぶことができず、トータルで損をしてしまう危険すらあります。
本記事では、
- 団信の概要
- 団信選びのポイント
- どういった点に注意していけばいいのか
といった話題について解説していきます。
本記事は、住宅ローンをはじめて組む方はもちろん、「改めて家計について見直したい」という方にとっても役立つ内容となってます。
住宅ローンの団信とは

団信は、「万一のときを避けるための保険」という生命保険の一種です。
住宅ローンは、人によって返済期間が異なりますが、その年数は最長35年と長期間になります。
その間には不慮の事故や事件など、さまざまなリスクがあります。
そういったリスクは生きて行く上では避けられないものであり、そういったリスクを回避するためにあるのが『団信=団体信用生命保険』なのです。
住宅ローンの返済中に、不慮の事故や事件で亡くなったり、後遺症を負った場合に、保険会社から金融機関へ住宅ローンの残額が支払われます。
金融機関によって、支払いの条件などは細かく違ってくるので、どういった条件でどのくらいの金額が支給されるのかはしっかり把握しておくことが必要です。
団信の種類と保障内容

通常の団体信用生命保険
ローン契約者が「死亡または高度障害状態」になったときに残されて住宅ローンが完済されます。
三大疾病特約付団体信用生命保険
三大疾病特約付団体信用生命保険は、「三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)で所定の状態」にあり、住宅ローンの返済が困難になった場合に、残りの住宅ローンを全額弁償する制度です。
一番多いオプションなのがこの三大疾病です。
ほぼ同じ内容の保険が「3大疾病保障保険」や「特定疾病保障保険」などとして売られていますが、コスパは団信の特約の方が上回ることがおおいです。
八大疾病特約付団体信用生命保険
八大疾病・・・がん、脳卒中、急性心筋梗塞に加え、五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)を指しています。
結局必要な特約は?
健康状態は人それぞれ違いますし、団信とは別の保険に加入している場合は、それも考慮しながら団信のオプションを検討していく必要があります。
団信の支払い方法は?

団信の保険料は、一般の民間金融機関で住宅ローンを組んだ場合、保険料を別途払う必要は通常ありません。
毎月の住宅ローンの返済額に、保険料が含まれているからです。
ただ、前述したような三大疾病や八大疾病などの特約をつける場合は金利に上乗せされることになります。
なので、特約をつける場合は、
- どのくらいの割合で金利に上乗せされるのか
- 金利に上乗せされた分の特約の金額はいくらか
といったことを考え、一般の生命保険と比較してみることをおすすめします。
ちなみに、フラット35の場合は特約の保険料は住宅ローンとは別に支払う必要があります。
こちらの保険料はローンの残債や特約の内容によって違いますが、ローンの残債によって金額が減少していくので、契約当初が一番高くなります。
団信の注意点

健康告知が必要
団信加入の際は、健康告知をする必要があります。
健康告知とはあらかじめ自分の健康状態を申告することです。
たとえば、
- 最近3カ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
- 過去3年以内に、指定の病気(脳卒中、心筋梗塞など)で手術を受けたり、2週間以上にわたり医師の治療・投薬を受けたことがありますか?
- 手・足の欠損または機能に障害がありますか?または、背骨・視力・聴力・言語・咀嚼機能に障害がありますか?
などがあります。
はじめて見る人は「自分でも加入できるかな?」と不安に思うかもしれませんが、生命保険よりは告知項目が少なく、加入しやすい。
ただ、健康状態が悪く団信に加入できなかったために、「住宅ローンの審査に通らない」ということが起こってしまいます。
だからといって、「嘘の情報を申告する」など告知義務違反は絶対にしてはいけません。
詐欺とも捉えられる行為ですし、銀行や保険会社からの信用を失ってしまうからです。
団信ではカバーできないことがある
病気やケガで長期間働くことができなくなってしまった場合です。
そうなってくると、当然保険金は支払われません。
対策としては、収入減に備え、「就業不能保険」に加入しておくことを検討しましょう。
働けなくなったときに、一定期間支給される保険のことです。
また、言うまでもなく、日頃から無駄な出費をなくしたり、固定費を減らし資産を増やしていく意識が必要です。
節税にはならない
団体信用生命保険の保険料や特約は、年末調整や確定申告の所得控除の対象にはなりません。
住宅ローン減税があるので、「団信も節税になるから、オプションをたくさんつけてしまおう」と誤解してはいけません。
保険金の支払いを受けられないケースがある
団信に加入しているからといって、すべての事件や事故が保険金支給の対象になるわけではないので注意しましょう。
保険金の対象にならない条件は金融機関や商品によっても違ってきます。
どういった条件が支払いを受けられない可能性があるのでしょうか?
たとえば、
- 保障開始日から1年以内に自殺したとき
- 被保険者の故意によって高度障害状態になったとき
- 保険契約者または保険受取人の故意により死亡または高度障害状態になったとき
- 保障開始日よりも前に発生した傷害または疾病を原因として高度障害状態になったとき
- 戦争、そのほかの変乱により死亡または高度障害状態になったとき
- 夫婦で連帯責任者となっている際に、いずれかの故意により他方が死亡または高度障害状態になったとき
こういった条件は対象外になってきます。
いざという時にトラブルを避けるためにも必ず確認しておきましょう。
団信に加入できない場合

大半の住宅ーンは団信加入が義務付けられています。
住宅ローンの審査で、年収や年齢などのいわゆる「属性」がよかったとしても、健康告知の部分で引っ掛かってしまい、民間の住宅ローンの審査に通らない人もいます。
そこで、団信に加入できなかった場合は、「フラット35」を活用することをおすすめsます、
フラット35は団信がセットになっていません。
住宅ローンはフラット35、そして団信の分は保険会社のサービスを利用しましょう。
「団信に通らなかったんだから、保険会社も厳しいでしょ」と思う人もいるかもしれませんが、追加で持病があっても加入しやすいサービスもあるので、検討してみましょう。
保険料も見直しておきましょう。

現在、保険にも団信にも入ってる人は、サービス内容が被っている可能性があります。
また、団信に入ってない人でも、加入している保険の内容で、実は必要ない特約が含まれている可能性があります。
保険は、不動産・家・車と同じように、高額な商品です。
少し見直すだけで大幅に家計が改善されるので、是非これを機会に見直しましょう。
→保険節約のウラ技
まとめ
団信にはさまざまな注意点や考えていかなければならないことがあることがわかりました。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、要点だけ抑えておくだけでもだいぶ違います。
あなたに合った最適な団信や住宅ローンのプランを選択するためには、一つのサービスだけではなく、複数のサービスを比較検討することが必要です。
そして、プロにも相談しながら団信選びをしていきましょう。
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